「小生物語」 乙一 04年07月39日発行

  • 京都にある「アスタルテ書房」という古本屋は店の奥で黒魔術やってそうな雰囲気。
  • ゲームキューブは取っ手などもついていて、鈍器として応用できそう。
  • 第二次世界大戦中の日本において、クリスマスというのは非常に恐ろしい日だった。夜になると一斉にサイレンが鳴り響き、大人たちは「サンタがくるぞ! 靴下を隠せ!」と叫んだ。子供たちは不安におののきながら家中の靴下をかき集め、お腹に巻いてサンタから隠し布団に入った。しかし朝になると、お腹に巻いていた靴下にいつのまにかプレゼントが差し込まれていた。襖を開けた形跡も、布団に手を入れられた形跡もないのに、いつのまにかプレゼントが靴下の中に入れられていた。靴下をどんな場所に隠そうが、地中に埋めようが、プレゼントが入っていた。
  • 戦場に大量の赤ん坊をパラシュート降下させれば、兵士たちは戦闘をやめて赤ん坊をあやすのに夢中になり戦争は終わるんじゃないですか。
  • 渋谷界隈では、七夕には目隠しをするという風習が数年前からできていた。夜に織姫と彦星が会うわけだが、それを地上から覗いては2人に失礼ということで、みんな目隠しをしようという提案がされたのだ。
  • 物を拾うために屈むだけで腰が悲鳴をあげた。しかも若い女性の絶叫だった。小生が屈むたびに腰から悲鳴があがって実にうるさかった。
  • 窓を開けてみると東の空の方が曇っていて雷が五秒おききらいに鳴り響いていた。小生は仕事をやめて窓辺に椅子を持ってきた。近所に住んでいる友人たち数名を電話で呼び出して、酒を飲みながら雷観賞をやった。
  • 福岡の久留米市に「ゆめタウン」と呼ばれる巨大なショッピングセンターができたそうで、そこへ行くことになった。行ってみると「ゆめタウン」はただの「ゆめタウン」ではなかった。正式名称は「YOU・ME・タウン」だった。
  • ノッポさんこと高見さんは本当に読書家でした。読書家になったきっかけという話がおもしろかった。疎開先で、女の子目的のために学校の図書館に通っていたところ、本を読むのがおもしろくて女の子のことがどうでもよくなったというのが読書の出発だったそうです。