「憲法九条を世界遺産に」太田光・中沢新一 06年08月17日

太田光はテリー・ギリアムと対談した時に「あのシーンはこういう意味なんですよね」と聞き「いや、それは違う」と言われ「僕が解釈したことにあなたがとやかく言う筋合いはない」と言った。ギリアムにとってはそれは誤解なのかもしれないが、誤解こそが個性…

「らくだこぶ書房|21世紀古書目録」クラフト・エヴィング商会 00年12月10日

茶柱の本。「真なる茶柱の神秘」と出会う方法は茶柱というものを忘れること。 カバンの中にはいつでも闇がある。向こうからやってくる男の革カバンの中には何が入っているかわからない、枕ほどの大きさの闇が詰まっている。 「A」という本。A16何もなか…

「わたくしだから」 大槻ケンヂ 98年08月30日

漫才師の西川きよしの息子がロックミュージシャンとしてデビュー、テレビ出演での演奏の前に西川きよしが挨拶として「息子のロックをお願いしますぅ」と言った。 KISSのポール・スタンレーがまだ売れないときにレコード会社社長に「お前らの信念の唄にしてみ…

「90くん」 大槻ケンヂ 00年03月25日発行

平成天皇即位の礼の前後、金髪のロックミュージシャンが一時的に国内で減少した。この頃ロック界では、即位の礼に合わせた右翼の金髪ロッカー狩りの噂が流れていた。 78年に解散したEL&Pは一度80年代にも再結成している。だが、ドラムのカール・パーマーが加…

「何がおかしい」中島らも 06年08月25日発行

日本の政治家の発言。吉田茂の「バカヤロウ」、池田勇人の「貧乏人は麦を喰え」、佐藤栄作の辞任表明報道での「テレビだけ残れ。新聞雑誌は出て行け」。 アメリカの大統領には常に二人のギャグ・メーカーがついていて、その日のプレスへのリップサービスや、…

「俺のカラダの筋肉はどれをとっても機械だぜ」 電気グルーヴ 92年06月15日発行

自分が神だと自覚した瞬間、そいつは神である。キリストやブッダがそうであるように。 今、時代は類人猿! ウキキキキキキ〜と口ずさめばそこがパラダイス! ウーパールーパー。珍獣はかつて上流階級の愉しみであったが、現代社会では個性を獲得するための商…

「ニッケル・アンド・ダイムド」 バーバラ・エーレンライク 06年08月10日発行

単純労働に支払われる低資金で、人はどうやって食べていくのだろう。特に、福祉改革によって労働市場に送り込まれようとしているおよそ四百万ともいわれる女性たちは、時給六ドルや七ドルでいったいどうやって生きていくというのだろう。 現場に飛び込んで誰…

「電気グルーヴのメロン牧場 花嫁は死神」 電気グルーヴ 01年08月18日発行

前科者でマイナスなったってことないよ。たださ、ある朝ガチャッとドア開けたら、4人の刑事に飛びかかられたんだよね。だから今でも朝ドア開ける時に緊張するってのいうのはデメリットとしてあるかもしれない。 工藤静香も石橋も秋元康も後藤次利もさ、都会…

「ぼろぼろのダチョウ」 椎名基樹 96年12月10日発行

これはもう駝鳥ぢやないぢやないか。人間よ、もう止せ、こんなことは。 「聞いてないよ」は逆説的な肯定の言葉だった。そして、笑いを取るために進んで危険に身を投じたがる自分たちや、テレビ番組がつかざるをえない嘘など、すべてをパロディーにしてしまう…

「ぼくたちの七〇年代」 高平哲郎 04年01月30日発行

六〇年代の渋谷はジャズの喫茶店がある百軒店が中心の素敵な街だった。七〇年代の渋谷はパルコと西武劇場とジアンジアンがある公園通りが中心の活気のある街だった。八〇年代以降は、新宿、六本木、青山、赤坂と同様に他人の街になってしまった。 ソノ・シー…

「テクノボン」 石野卓球・野田努 94年4月20日発行

テクノポップ現象のほとんどは、スノッブな特権意識を満足させるためのアイテムとして、ニューウェイブを浪費するだけだった(だから、現在の20代後半〜30代後半の人はニューウェイブ意向の音楽に興味ない人が多い) テクノを嫌いな人はテクノを音楽とすら認…

「不食・人は食べなくても生きられる」 山田鷹夫

著者は自らの肩書きを「実践思想家」と名乗る。また、知人からは「極め美学の鷹さん」と呼ばれる。 動物のクローン化を行う際、一つの細胞からそれ以外の細胞が誕生することはあり得ないとされていたが、一度細胞を飢餓状態に置くことで、それが可能になった…

「ぐっとくる題名」 ブルボン小林

「警察の人」「うちの会社の人」など、友人というほどの知り合いでもなく、しかしまるで関わりを持たないわけでもないとき、それは「○○の人」となる。 漫画家のつげ義春の「つげ義春全集」の最終巻には自筆年譜が入っており、後年になるほど寡作になっていく…

「封印作品の謎」 安藤健二

85年頃、ウルトラセブンの第12話の海賊版ビデオを幼女殺害事件の宮崎勤から手に入れた人がいた。まだ流通の初期段階で、宮崎勤は海賊版ビデオの流通に大きな役割を果たしていたといえる。 92年に出版された「怪獣学・入門!」には12話についての2ページにわ…

サブカルチャー世界遺産

サブカルチャーとは、非政治的な状況下で若気の至りを発散するはけ口を失った若年層が、文化的事象に見出した隘路。 書店におけるサブカル棚の登場が、規定されることを拒んできたサブカルのジャンル化を物語る象徴。ジャンル化によってサブカルの熱気は失わ…